「防犯カメラの映像保存期間は変更できますか?」

このような質問が寄せられることがあります。「倉庫の安全管理用に使いたい」「不良品が出た日の映像がみたい」「作業現場の記録用に使いたい」など、さまざまな目的から、映像の保存期間を延ばしたい方が多いようです。

防犯カメラの映像保存期間は、変更することができます。録画設定を調節などいくつかの方法で、目的に合った保存期間の録画が可能です。弊社でもさまざまなご要望に合わせた録画調節をさせていただいております。

そこで今回は防犯カメラの映像保存期間を変更したい方向けに、録画日数を延ばす方法を解説します。解説の録画用レコーダーは、ここ最近の主流であるネットワークカメラ専用レコーダー(以下NVR)になります。ぜひ参考になさってください。

防犯カメラの録画日数は変更できます

防犯カメラの捉えた映像をNVRで記録する場合、映像の画質を調節したり、HDDの搭載容量を変えることで、防犯カメラの録画日数は長くしたり短くしたりすることができます。

ただし、保存期間を長くする場合、データー量が膨大になるため、設置するカメラの台数や映像の画質、希望する録画日数をもとに「バランスの良い画質調節」「適切なHDDの容量」を決めることが大切です。

防犯カメラの録画日数を長くする5種類の方法

録画日数の延長方法には、5種類あります。

  • HDDを増設する
  • モーション検知を活用する
  • 圧縮方法を見直す
  • 画質を下げる(ネットワークカメラ)
  • 外部ストレージを活用する

ぞれぞれについて詳しく見ていきましょう。

HDDを増設する

HDDの搭載容量を増やすことで、録画日数を延ばすことができます。

1台のNVRに搭載できるHDDは、機種によって異なりますが、大容量のHDDを搭載し長期間保存をすることもできます。ただし、保存期間が長くなるほどデータ量が膨大になり予算もかかってしまいます。希望する録画日数に最適なHDDの容量を選択・増設することが大切です。

メリットデメリット
・容量の追加が手軽
・データ管理が容易
・コストがかかる

モーション検知を活用する

防犯カメラのモーション検知機能を使用することで、録画日数を長くすることができます。

モーション検知は、防犯カメラが動きを検知したときだけ録画する機能です。ただし、以前のモーション検知は、光の変化や虫や小動物、植物などの動きに反応して録画を行うため、思ったより録画日数が増えないということがありました。しかし、最新のモーション検知では、設定したエリア内での人や車両などの特定した動きのみを検知し、録画できるようになったため、より効率的な録画が可能になりました。

さらにスケジューリング機能を組み合わせることにより、大事な時間は常時録画を行い、人の出入りが少ない夜間はモーション録画を行うなどの組み合わせも可能になりました。

モーション録画を使うことにより、24時間の映像をそのまま録画する場合と比べ、NVRに記録する時間を短くできるため、録画日数を延ばすことができます。

メリットデメリット
・ストレージと帯域幅の節約
・効率的な検索が可能
・重要な動きだけを強調した記録ができる
・誤検知
・重要なイベントの見逃し
・最適な設定が必要

圧縮方法を見直す

NVRに記録する映像の圧縮方法を調整することで録画日数を長くすることができます。

動画圧縮は、動画ファイルのサイズを小さくする技術です。圧縮された映像は元の映像よりもファイルサイズが小さくなりますが、目的に応じた録画ができるよう圧縮方法を選択することが大切です。

NVRの動画の圧縮方式は、数年前までは、H264が主流でしたが、現在はH265やH265+が主流になってきています。H265とH264の違いは、動画の圧縮比率の違いです。同じ画質でもデータ容量は、H264はH265と比べ2分の1です。

例えばH264では2週間しか録画できなくてもH265であれば、4週間録画できるようになります。H265+であれば、H265よりさらにデータを圧縮できます。

参考記事:H.265、H.264って何?

メリットデメリット
・映像ファイルが小さくなる
・データの送受信が高速化
・ストレージの効率的な活用
・互換性の問題
(H265、H265+を利用する場合)

画質を下げる

NVRに記録する映像の解像度を下げることで録画日数を長くすることができます。

防犯カメラの映像画質は、解像度(映像の大きさ)とビットレート(データ容量)で決定されます。解像度とビットレートを下げることにより、同じHDDの容量でもより多くの時間を録画することが可能です。

ただし、解像度を下げる場合、適切なビットレートの設定が必要になります。過剰にビットレートだけを下げると画質が極端に低下し、映像にブロックノイズなどが発生します。また、解像度を極端に下げると、映像をデジタルズームで引き延ばした場合に映像が粗くなることになります。

録画の目的や監視対象に応じて、最適な解像度やビットレートを選択することが重要です。

メリットデメリット
・映像ファイルが小さくなる
・帯域幅の節約
・画質の低下

外部ストレージを活用する

NVRに外部ストレージを接続することで、録画日数を延ばすことができます。

最近のNVRは、外部のハードディスクを使用できます。録画データの保存容量を拡張できるため、希望する期間の映像を保存することが可能です。

メリットデメリット
・大容量の保存が可能
・RAIDを組めば安全性が高くなる
・RAIDを使用する場合コストが高くなる
・データ容量が大きくなると処理速度が低下するリスクが発生
参考:外部ストレージを使い、録画データをリアルタイムにバックアップする

外部ストレージは、録画データのバックアップ用としても活用できます。NASやグーグルドライブなどのクラウドやFTPサーバーへ、録画データをリアルタイムに伝送することができます。万が一本体のハードディスクに異常が発生しても、イベント時の録画データはリアルタイムにバックアップされ、より安定したシステムの構築も図れます。

まとめ

防犯カメラの録画日数の延長方法について解説しました。

防犯カメラの保存期間を変えたい場合「HDDの容量」と「映像品質の調節」をポイントに調節をします。ご紹介した5種類の延長方法を参考に調節をしてみてください。

なお「希望する録画データを保存できるか心配…」という場合は、お気軽にご相談ください。映像の保存目的や保存期間に応じた適切な映像品質で記録ができるよう保存方法をご調節させていただくこともできます。お気軽にご相談ください。